自動車の構造は、部分品を組み合わせて一つの装置として作用、又は動作するように組み立てられています。その中で、動く部分には必ず何らかの液体を使用しています。
エンジンオイルは、長期に渡って安定した運転ができるように、機械内部の潤滑や洗浄、冷却をする必要不可欠な液体で、ガソリンエンジン専用、ディーゼル車用とか地域温度差によって使用する品質が異なり、グレードの違いも有ります。
エンジンの中では、空気を圧縮して適度な混合比のガソリンや軽油の燃料を送り込み、電気点火又は、自然着火で爆発させて動力に変えていますので、寒冷時では‐30度から高温時は1800度程にも達し、その中でオイルは機能を発揮しなければなりません。
エンジンは、始動時に通常より濃い燃料でないと爆発しづらいので、シリンダーとピストンの気密リングよりガソリンが下がってオイルに混入しやすく、回転の低い時は圧縮も上がらずススが溜まり、高速高負荷回転時と暖機運転中等はエンジンにとってもっとも過酷な条件となりオイルも酸化汚染されてその機能が低下していきます。そして特に北海道の気象条件下では冬場は寒くのろのろ運転、夏場は暑く高速運転とあまりにも使用に違いが有りすぎます。
使用過程での保守管理は安いオイルで5,000km、グレードの高いもので10,000km走行毎に交換するのが一つの基準となっておりますが、テスト分析の結果、始動停止の繰り返し、暖機運転(置き掛け)の少ない車で3ヶ月間に18,000km走行したオイルと、1年間に 5,000kmしか乗らない車のオイルを比較した場合の品質低下具合は、5,000kmしか走らなかったオイルが明らかに劣っていました。エンジン整備をしてきた立場から言いますと、オイル交換時期は使用方によって決定され、いくら走らなくとも春先と冬前の年2回は実施すべきです。ライフサイクルが伸びるばかりでなく途中の関連するトラブルからも回避することに繋がります。